2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
礒島 知也 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 原子気体 / ボーズ凝縮 / 渦糸 |
Research Abstract |
1、スピン自由度を持つ原子気体ボーズ凝縮体の渦糸構造について研究した。従来各種の渦糸が提案されてきたが、それらの研究では、実験で不可避な2次のゼーマン項の効果が無視されていた。この項を考慮に入れることで、実現できる渦糸の種類や、それらが実現される磁化や磁場の範囲が大きく変わることを示した。 2、原子気体のボーズ凝縮体の、多重の渦糸の研究を行った。 (1)京都大学における四重の渦糸の分裂の実験で特異な原子密度分布が得られたことに対して、多重の渦糸が4本平行に並び、全体として板状になるという解釈を見つけ、これが実験結果を非常によく説明することを示した。 (2)一本の二重の渦糸が、二本の一重の渦糸に分裂する現象について、ヘルシンキ工科大学と共同で研究を行った。マサチューセッツ工科大学での実験の条件で、渦糸が自発的にねじれ構造をとることを示した。また、渦糸の鎖構造も生じている可能性を指摘した。 (3)学習院大学で行われた実験では、四重の渦糸が、渦糸2本づつのペアとなり、それぞれがねじれ構造をとる可能性を指摘した。 (4)多重の渦糸が、分裂後に鎖構造、あるいはねじれ構造をとることを示し、まだ観測されていない鎖構造のみを選択的に実現させるための実験法を提案した。 3、多成分の原子の混合気体における、蒸発冷却と、その過程での凝縮体の成長について研究した。従来の蒸発冷却の理論を3体衝突の効果も含めるように拡張し、予備的なシミュレーションを行った。
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Research Products
(2 results)