2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNAデバイスの作成とリアルタイムAFMによるその動的挙動の解析
Project/Area Number |
06J02251
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田代 竜 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | DNA / 光反応 / 分子デバイス |
Research Abstract |
DNAの2本鎖形成能を分子デバイスへと利用する試みが近年盛んに行われている。光反応によるDNA損傷を効率よく引き起こすことは、光照射によりDNAの2本鎖の解離を誘導することが可能となりDNAを利用した分子デバイスの作成に有用であると考えた。DNAのチミンの誘導体であるブロモウラシルやヨードウラシルは配列によっては非常に強い光反応性を示す。光反応をDNAデバイスへと利用するために、ヨードウラシルの光反応性について調べた。ブロモウラシルの反応においてグアニンがブロモウラシルに対し電子供与体となることを明らかにしている。ヨードウラシルの反応においてもグアニンとヨードウラシルの距離を変えて反応させたところブロモウラシルと反応性において非常に類似性があることが分かった。例えば、GAAIUという配列で最も反応性が強いことが分かり、これよりも距離が遠くなると反応性は距離に依存して減少することを明らかにした。これは電子移動が電子供与体と受容体との距離に依存するためであり、ヨードウラシルの反応性も電子移動により反応が進行することを意味している。GAAIUよりも距離が短い場合、ヨードウラシル反応性が低くなったがこれは電荷分離後の逆電子移動反応によるためであることが分かった。さらに、ブロモウラシルとは異なる点としてヨードウラシルの光反応には電子移動の他にもホモリシスにより反応が進行することも明らかにした。グアニンがヨードウラシルに電子を与えるほど近い位置に存在している場合は、ヨードウラシルが電子を受け取りヘテロリシスにより、ヨードー炭素間の結合が脱離するが、グアニンが近傍の配列に存在しない場合、ホモリシスが主な反応経路になることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)