2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマーカーを用いた野生ワオキツネザルの繁殖戦略の研究
Project/Area Number |
06J02271
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市野 進一郎 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ワオキツネザル / 霊長類 / 繁殖戦略 / 父子判定 / マイクロサテライト / マダガスカル |
Research Abstract |
本研究は、マダガスカルに生息する昼行性原猿であるワオキツネザルの繁殖戦略を、DNAマーカーを用いて明らかにすることを目的としている。調査対象は、マダガスカル共和国ベレンティ保護区内に設定された14.2haの主調査地域に生息するワオキツネザルで、1989年以降、全個体の識別が継続されている。 本年度は、8月から11月にかけて3ヶ月間の野外調査をおこない、行動観察と捕獲調査をおこなった。調査群7群116頭のうち、76個体分の新たな遺伝試料を採取した。今回の調査における主な捕獲対象はオトナオス(3歳以上)および未成熟個体(1歳および2歳)で、オトナオスは2頭を除いたすべて、未成熟個体は4頭を除いたすべての遺伝試料を採取できた。 帰国後、霊長類研究所集団遺伝分野において、口内細胞試料からDNAを抽出し、マイクロサテライトDNA解析をおこなった。口内細胞の84試料すべてでDNA抽出に成功した。血液から調製したDNAに比べると濃度は低いが、十分な量のDNAを採取できることが明らかになった。また、調製したDNAを用いて、シークエンサーを用いたフラグメント解析をおこなった。実験には、研究代表者がこれまでにおこなってきた実験でPCRによる増幅、多型を確認したプライマーを用いた。マーカーとして有効であることが確認されている11座位のマイクロサテライト遺伝子のうち、9座位について各試料の8割程度の遺伝子型を決定できた。来年度以降は、残り2割の遺伝子型を決定し、父子判定に用いる予定である。
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Research Products
(1 results)