2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞由来血管前駆細胞と血管ホルモンを用いた虚血脳再生医療の開発
Project/Area Number |
06J02287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮下 和季 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ES細胞 / 血管前駆細胞 / 血管-神経再生療法 / 脳梗塞モデル / 再生医療 |
Research Abstract |
本年度はマウス脳梗塞モデルにおいて、ES細胞から誘導した分化段階の異なる複数の血管前駆細胞(VPC)由来細胞の移植実験を行い、血管-神経再生療法に用いる細胞製剤ソースとして好適な分化段階を検討した。 移植実験の比較対象として(1)VPC(2)VPC由来内皮細胞(VPC-EC)(3)VPC由来血管壁細胞(VPC-MC)(4)(2)と(3)の混合群(VPC-EC+MC)、対照群として(5)ヒト末梢血をフィコール分離することによって得られた単核球細胞(MNC)(6)生理食塩水を準備した。塞栓子を総頚動脈より挿入し、中大脳動脈を20分間閉塞することで脳梗塞モデルを作成し(20m-MCAO)、その直後に総頚動脈からマイクロチューブを用いてVPC由来細胞を3×10^5個(/50μl/body)注入した。第28病日まで、レーザードップラー血流計を用いて局所脳血流を定量し、ニューロンマーカーNeuN免疫染色で梗塞域の大きさを、ロータロッド法で運動機能を評価した。 その結果、(2)VPC-ECならびに(3)VPC-MC移植群は、(5)NNC群ないし(6)生理食塩水群と比較して有意な血流増加と梗塞域の縮小、さらには運動機能回復の促進を認め、(4)VPC-EC+MC移植群においては、なお一層の改善効果を認めた。これらの結果より、ES細胞由来VPCは虚血脳における血管-神経再生療法の有力な材料となる可能性が示唆され、VPC-ECとVPC-MCの混合細胞製剤が移植治療により好適である可能性が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)