2007 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起パターンの多様性を生み出す細胞膜供給機構と新規分子の機能解析
Project/Area Number |
06J02414
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坪内 朝子 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ショウジョウバエ / 樹状突起 / ミトコンドリア / PNS |
Research Abstract |
採用第2年目であるこの1年間で、私自身が行ったスクリーニングから得られた候補遺伝子の機能解析や樹状突起パターンに与える影響について詳しい解析を行った。私はこれまでに、ミトコンドリア局在分子(preli-like/CG8806)の過剰発現により、ClassIVタイプの樹状突起の受容野が著しく狭くなり、突起伸長が抑制されることを見いだしていた。採用1年目では、トランスポゾンのジャンプアウトによって機能喪失変異体を作製した。採用2年目にあたる1年間では、その他のミトコンドリアの形態に関わる変異体の樹状突起パターンを観察したところ、多くのミトコンドリアの形態に関わる分子と樹状突起形成との間に密接な関係があることが観察された。またミトコンドリアの形態と局在の2つの点に注目し、ミトニンドリアの突起での輸送を特異的に抑制したところ、樹状突起パターンに変化があまりみられなかったことから、ミトコンドリアの局在よりも細胞体で適切な形を保つことが、樹状突起パターン形成に重要ではないかと考えられた。 近年preli-like/CG8806遺伝子の酵母ホモログUps1がMgm1(ヒトOPA1:0ptic Atrophy 1)のプロセシングに関与し、ミトコンドリアの融合に影響を与えることが報告された(JCB,Vol175,651-658),2006)。ヒトOPA1(Optic Atrophy 1)は視神経形成異常となる神経変性疾患の原因遺伝子であるが、その神経細胞における機能については不明な点が多い。そこで、私はショウジョウバエ培養細胞を用いて、ショウジョウバエOPA1ホモログopal-likeのプロセシングにpreli-Like/CG8806が影響を与えるかどうか解析を行っているが、ショウジョウバエでは酵母とは異なる経路でミトコンドリアの形態が調節されているのではないかというデータを得た。また、preliがミトコンドリアの形態だけでなく、ミトコンドリアの活性や膜電位にも影響を与えることを支持するデータも生化学的に得られた。さらには、ミトコンドリアのより微細な構造変化を観察するために、現在電子顕微鏡を用いた解析を行い、preliの分子機能を明らかにしようとしている。
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Research Products
(3 results)