2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02432
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
紙透 伸治 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特別研究員PD
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Keywords | 転写因子 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
前年までに、レンチノロールの各種誘導体を合成し、遺伝子発現をより強く誘導する誘導体を得た。さらに、この誘導体を用いて、筋細胞への分化を誘導する転写因子MyoDを模倣することに成功した。 次になぜこの誘導体の転写活性化能が上がったかを調べることにした。この誘導体は、レンチノロールのビピペリジン部位にベンゼン環を挟むことによってレンチの幅を長くしか誘導体であり、コアクチペータSur2との結合が強くなっていると推測される。そこで、レンチノロール及びこの誘導体と結合するSur2の量を比較することにした。ビオチン化したレンチノロールとその誘導体を核抽出物とインキュベートし、ストレプトアビジンビーズで結合タンパク質を精製した。結合タンパク質をウェスタンプロットにより解析し、結合しているSur2の量を評価した。その結果、この誘導体はレンチノールと比較して、Sur2とより強く結合することが示唆された。さらにレンチノロールとこの誘導体に蛍光物質を導入し、Sur2との解離定数を蛍光偏光法によって測定した。その結果、この誘導体の解離定数は0.32μMでありレンチノロール(0.86μM)よりも約2.6倍の強さでSur2と結合していることがわかった。 一方、脂肪合成遺伝子の発現を抑制する分子であるファトスタチンの作用機構について研究を行った。DNAマイクロアレイなどによる解析から、この化合物はSREBPという転写因子の経路に作用することを明らかにした。SREBPは脂肪合成において鍵となる転写因子である。生化学・細胞生物学的研究により、ファトスタチンはSCAPというタンパク質に結合することによって、SREBPの活性化プロセスを抑制することを明らかにした
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Research Products
(4 results)