2006 Fiscal Year Annual Research Report
対面コミュニケーション場面における顔面表出の機能に関する心理学的検討
Project/Area Number |
06J02614
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 光江 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コミュニケーション / 視線 / 表情 / 表出 / 認知 |
Research Abstract |
対面コミュニケーション場面における顔面表出の機能の検討として、大学生被験者が聞き手に向かって感情エピソードを語るときの顔面表出をビデオに録画し、視線・表情表出を検討した。今年度はまず、ビデオからエピソードを逐語的にテキストに起こし、エピソードの中でも特に感情がはっきり表出されている部分を選び、次に、当該部分の顔面表出を対象にエピソードの感情価ごとに違いが見られたか比較検討し、発話の感情価が話し手の顔面表出にどのように影響するかを明らかにした。結果の一部を、第48回言語・音声理解と対話処理研究会(SIG-SLUD-A602)で発表した。 対面コミュニケーション場面における顔面表出の機能を考えるうえで、表出的側面だけでなく他者の目の付近の表情表出と視線方向から、心的状態をどのように推論するか、という認知過程を検討するのは重要な課題である。今年度は、Baron-Cohenら(1997,2002)が開発した"Reading the mind in the eyes"testをもとにアジア版を作成し、日米でそれぞれのテストを健常成人を対象に行い、目の付近の写真から心的状態の読み取りには文化差があることが示された。得られた結果については、日本心理学会第70回大会においてポスター発表を行った。なおこの研究は、Penn state大学のAdams博士らとともに共同研究として行った。 さらに、未知人物の視線方向と視線の先にある対象物との時空間的関係の認知が、その人物への好意・信頼形成に及ぼす効果について、先行研究であるBayliss & Tipper(2006)の結果を追認するとともにそのメカニズムを検討するための研究を行った。得られた結果については、10th European Congress of Psychologyにおいてポスター発表を行う予定である。
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Research Products
(1 results)