2007 Fiscal Year Annual Research Report
対面コミュニケーション場面における顔面表出の機能に関する心理学的検討
Project/Area Number |
06J02614
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 光江 Kyoto University, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 視線 / 表情 |
Research Abstract |
申請者はこれまで(1)視線認知による人物選好への影響、(2)社会的相互行為における発話の感情価と視線・表情表出、(3)表情と視線からの心的状態推論に関する国際比較、という3つの研究課題について実証研究を遂行した。第一の課題では、大学生80名程度を対象に実験室実験を4つ実施した。未知人物の視線方向と視線の先にある対象物との時空間的関係の認知が、その人物への好意・信頼形成に影響を及ぼすことが明らかになった。これらの成果を国内外の学会で報告した。そこでの議論を踏まえた追加の実験を立案し、データ収集の準備をすすめた。第二の課題では、大学生約40名を対象に感情エピソードを語るときの視線・表情表出を定量化し、感情価の誓いによって、表情表出への影響が異なることを明らかにした。これらの結果について国内学会で報告を行った。論文としてまもなく国際誌に投稿する。第三の課題では、Pennsylvania State Universityとの連携のもとに日米で大学生を対象にした質問紙調査および実験室実験を実施した。視線と目の周りの表情から心的状態を行うときには、顔認知の初期段階からすでに文化差の影響が見られることが明らかになった。すでに国内外で学会発表した結果と合わせて、現在、国際誌に投稿する準備を行い、8割がた完成させた。これらの研究成果は、我々の日常のコミュニケーションの中で行われれている、対人関係を構築・深化させる心的過程について示唆を与える。
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Research Products
(5 results)