2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02662
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 彩子 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | リボソーム / 細胞モデル / DNA / マイクロ流路 / アクチン / ミオシン / 光感受性 / リン脂質 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に開発した新規のリボソーム作製法を用いて、より高度の人工モデル細胞を構築することに主眼を置き、研究を行った。その結果、細胞サイズのリボソーム内で、タンパク質発現量の経時変化をリアルタイムで追うことに成功した。また細胞の動きを司る、細胞骨格タンパク質のアクチン、およびモータータンパク質ミオシンを、生理学的条件下でリボソーム内に封入することにも成功した。これにより、細胞機能の基礎的な性質を明らかにするための、モデル系の構築の大きな礎を得ることができた。さらに、フランスの高等師範学校にある共同研究先の研究室では、主にDamien Baig1准教授のご助力の下、マイクロ流路を用いた実験技術を習得し、大きさ、および内容物を制御することが可能なモデル細胞系の構築を引き続き行った。さらに光感受性のDNA凝縮剤を用いて、紫外光を当てることによりDNAの高次構造および活性を制御するシステムを内包したモデル細胞系の共同実験を行った。延べ2ケ月に亘る滞在期間中、Yong Chen教授、Damien Baigl准教授、及び学生の皆さんとの交流や継続的なディスカッションミーティングを通じて、多くの知見を得ることができた。以上に述べた成果の一部を、3報の論文および1報のProceedingにまとめた。研究成果の発表および研究交流を行うため、本年度中、サマースクールやウィンタースクール、および国際シンポジウムに参加した。その結果、最先端の研究成果について多くの情報を得ることができ、様々な研究者との交流を通じて視野が広がり、大変大きな収穫となった。また、在学中の研究成果を博士論文としてまとめ、京都大学より理学の博士号を授与された。
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Research Products
(4 results)