2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02709
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 求 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光受容体 / 組織特異性 / 花芽形成 / シロイヌナズナ / 花成 |
Research Abstract |
当初想定していたクリプトクロム2の組織特異的な役割に関わる研究計画の大部分は昨年度で完成した。これまでの私たちの解析からフィトクロムBやクリプトクロム2による花芽形成の制御には器官/組織特異性が存在することが明らかとなっていたが、こうしたメカニズムの詳細については未解決であった。私たちは光受容体および花芽形成に関わる新奇因子の解析によってこうした問題は解決できるのではないかと考え、申請者らがすでに明らかにしていた、フィトクロムBとの相互作用がみられる新奇タンパク質PHLに着目した。本年度はこれまでの研究の内容をより発展させるべく、PHLの解析を行った。PHLはyeast two-hybrid法やpull-downによりフィトクロムBと直接に相互作用すると考えられた。また、遺伝学的な解析からもPHLとphyBの相互作用が確認された。その一方で、phl変異体は顕著な遅咲き表現型を示すことから、PHLはphyBの下流で花成を制御する因子であることが明らかになった。また、PHLの細胞内局在やph1変異体における遺伝子発現の解析もこの可能性を支持する。こうした上記の結果は既に論文にまとめる作業に入っており、現在、リバイス中である。最近になってフィトクロムBの下流因子と思われる物がPHL以外にも二つ発表された。しかし、フィトクロムBとの直接の相互作用を持つ因子はPHLだけであり、今後PHLのさらなる研究によってフィトクロムBがどのようにして花芽形成を制御しているのかの全貌が明らかになると考えている。
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Research Products
(1 results)