2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02717
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 丈典 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロミネンス / フィラメント / 活動領域 / アルヴェーン波 / コロナ加熱 / 浮上磁場 / 太陽 / 宇宙天気 |
Research Abstract |
2006年9月に打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」を用いて、プロミネンス(フィラメント)の観測を行い、次の研究を遂行した。 第一の研究は、太陽コロナ中のアルヴェーン波の発見に関するものである。太陽リムで観測されたプロミネンス中に、特異な振動現象を見出し、その解析を行った。そして、この振動の原因が、コロナ磁場を伝播するアルヴェーン波が通過する際に揺れているためであることを断定した。アルヴェーン波はコロナ加熱問題解決の鍵を握るとされており、これまでもその存在が示唆されていたが、今回の解析によって初めて観測的にコロナ中で発見されたものである。この成果は米科学誌サイエンスに発表し、国立天文台での記者会見を通じて新聞等でも報じられた。 第二の研究は、プロミネンス形成に関連する螺旋磁束管の浮上の発見に関するものである。プロミネンス形成過程と光球面の磁場の進化に着目し、活動領域に付随するプロミネンスの解析を行った。プロミネンス形成に関してはこれまでも多くの理論的なアプローチがなされているが、モデルを支持する観測的な証拠は見つかっていない。しかし、この解析により、形成モデルの一つに合致する現象(螺旋磁束管の浮上)を観測的に初めて示すことに成功した。螺旋磁束管の浮上の観測的証拠についてはアストロフィジカルジャーナル誌に発表済みである。また、この浮上螺旋磁束管とプロミネンス形成に関する詳細解析については、現在論文を執筆中である。
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Research Products
(13 results)