2006 Fiscal Year Annual Research Report
計算力学に基づく臓器剥離の力覚提示を可能とするネットワーク型VRシミュレータ構築
Project/Area Number |
06J02735
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
粂 直人 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 医用VR / 剥離 / 力覚提示 / PCクラスタ / 投機実行 / ミドルウェア |
Research Abstract |
昨年度は、シミュレータのPCクラスタ上での実装、シミュレーションモデルの高速化、剥離モデルの改良の検討、の三つに関して次の通りの研究を行った。 分散システムを用いた実時間応答システムの達成のための手法として投機計算のアルゴリズムの開発を行った。投機計算に必要なパラメータの調整による実時間応答システムの実現可能性に関してまとめた内容を、博士論文の各章と国際学会にて発表した。既存のPCベースのVRシミュレーションをユーザインタフェース部とシミュレーション部に分割し、シミュレーション部をwindowsアーキテクチャから、linuxアーキテクチャに移行しPCクラスタ(Scube)上に実装した。SCUBEを所有する富田研究室と共同で、シミュレーション部をユーザインタフェース部から隠匿するミドルウェアの設計を行った。実機での通信パフォーマンスが課題になることから、基本的なデータ通信とパフォーマンス計測部を実装した。今後、クライアント部からシミュレーション部を呼び出すことで入力から出力に至る一連のシミュレーションをループとして実行できるプログラムを実装する。同時に、ユーザの操作によって応答を返すシミュレーション部を動的に切り替える仕組みの実現を目指す。 シミュレーション部の高速化のために並列化と有限要素法の高速化の二つの方向での調査研究を行った。並列化に関しては、投機とのハイブリッドによる使用が考えられるが、パフォーマンスの向上は投機によるものの方が高いと推定された。有限要素法の高速化に関しては、共役勾配法とSMW法の比較を行った。今後、両モデルの実装を通じてパフォーマンスの良い方のモデルを採用することを考えている。 剥離シミュレーションモデルの開発の参考とするために、COEのREDEEMプロジェクト(東北大)に参加し、解剖学等の実習を通じてモデルの改良に関する考察を深めた。
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Research Products
(2 results)