2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤の感受性遺伝子の同定と病態の解明およびハイリスク戦略による予防法の確立
Project/Area Number |
06J02738
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
峰晴 陽平 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | くも膜下出血 / 脳動脈瘤 / 遺伝因子 |
Research Abstract |
くも膜下出血の予防法の確立を目指して、家族性脳動脈瘤および弧発例の収集を行い、脳動脈瘤の遺伝因子を検索した。 (1)脳動脈瘤の感受性遺伝子(TNFRSF13B)の同定 発症者が3名以上いる家族集積性の高い29家系を用いた連鎖解析により17cen(NPL=3.00),19q13(NPL=2.15),Xp22(NPL=2.16)に連鎖を認めた。最もNPL値の高かったCh17cenの領域に含まれる遺伝子から、systematicに9つの候補遺伝子を選択し、ケース58名(家系のproband29名、弧発例29名)でsequenceを行った。その結果、tumor necrosis factor receptor superfamily, member 13B(TNFRSF13B : Gene aliases : TACI)においてのみ、deleteriousなvariantsが見つかったため、合計362名のケースと332名のコントロールでsequenceを行った。その結果、・ケースで724 chromosome中17のmutationが見つかり、コントロールより有意に高かった(コントロールでは664 chromosome中の5つ:P=0.003)。29家系中3家系ではsegregatonが認められ、mutationであることが確認された。また、TNFRSF13B内に同定した4 SNPについてhaplotypeを組んで相関解析を行ったところ、有意な相関を認めた(OR=0.68,P=0.044)。さらにMHC class II遺伝子内の2つのSNPを加えて解析を行うと、OR=0.22(P=0.0153)という結果が得られた。 (2)常染色体優性遺伝家系の連鎖領域 上記の29家系の家族性脳動脈瘤・高集積家系のうち、常染色体優性遺伝形式と考えられる家系(3世代に渡るか、2世代で親の世代に3名以上の発症者がいる家系)9家系を対象にmodel-based linkage analysisを行った。その結果19q13.3に連鎖を認めた(maximum LOD score=4.10)。この領域は、フィンランドの研究により同定された領域と重なっており、脳動脈瘤感受性遺伝子の存在する、有力な候補領域と考えられる。
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Research Products
(6 results)