2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤の感受性遺伝子の同定と病態解明 およびハイリスク戦略による予防法の確立
Project/Area Number |
06J02738
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
峰晴 陽平 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | くも膜下出血 / 脳動脈瘤 / 遺伝因子 |
Research Abstract |
脳動脈瘤ともやもや病は手術による脳卒中の予防が可能な疾患である。我々は病態解明と同時にハイリスク者に対する公衆衛生学的予防対策の確立を目指す。脳動脈瘤、もやもや病の感受性遺伝子を同定し、疾患の発症メカニズムを解明するとともに、社会的に妥当な予防手段を職域等で確立することが本研究の目的である。脳動脈瘤では、3世代にわたる常染色体優性遺伝家系9家系を対象に、パラメトリック連鎖解析を行い、19q13.3に有意な連鎖を認めた(LOD=4.1)。同領域はフィンランドのグループでも確認されており、有力な候補領域である。また、マイクロ・アレイを用いた相関解析においては、移住の少ない地域で、ケース29名とコントロール35名を解析し、14q23で有意な相関を認めるSNPを同定した。さらに、ケース237名とコントロール257名の集団で追試を行い、相関を確認した。同領域は過去に日本の報告で示されており、今回異なった集団と異なった手法で確認することができた。もやもや病では、15家系の高集積家系の解析を行い、家族性もやもや病が浸透率の低い常染色体優性遺伝形式をとることを示した。Affected-only methodで、パラメトリック連鎖解析を行ったところ、17q25.3に有意な連鎖を認めた(LOD=8.07,HLOD=8.11)。以上のように、脳動脈瘤ともやもや病の遺伝子座が明らかとなった。今後は、各領域から疾患関連遺伝子を特定し、診断および治療に結び付けていくことができると期待される。
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Research Products
(9 results)