2007 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的分子内不斉アミノ化反溶を基盤とするアルカロイド類の短段階全合成
Project/Area Number |
06J02745
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾形 篤太郎 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 不斉反応 / ヒドロアミノ化 / 全合成 / アルカロイド / リチウムアミド |
Research Abstract |
電子求引基により活性化されたオレフィンを用いるリチウムアミドの優れた不斉付加反応は多数報告されているものの、活性化されていないオレフィンへのリチウムアミドの不斉アミノ化は未開拓の領域であり、本反応の開発は有機合成化学上挑戦的な課題の一つである。 2001年に吉川らにより発見されたjavaberine AはTNF-α及びNO産生抑制作用を有する生理活性天然物であり、現在その全合成例は報告されていない。一級アミンを求核剤とした隣接する2箇所のオレフィンへのタンデム型分子内不斉ヒドロアミノ化反応を開発しこれを適用する事が出来れば目的化合物の2箇所の不斉点を一度に構築する事が可能である。そこで本反応を鍵とするjavaberine Aの初めての不斉全合成を検討した。 ベラトルアルデヒド及び3.4-ジメトキシスチレンを出発原料に用いてHeck 反応により内部オレフィンを構築し、Wittig反応によってアルデヒド基を末端アルケンに変換した。さらにHeck反応によりニカ所目のオレフィンを構築、続いてHenry反応、LAH還元により、javaberine Aの鍵中間体となる一級アミノオレフィンを5工程、51%収率で得た。 上記の方法により合成した一級アミノオレフィンを用いてタンデム型分子内不斉ヒドロアミノ化反応を行ったところ、目的の環化体は得られず、原料が回収された。反応が進行しない原因として、基質の溶解性、アミンの求核性等が考えられる。そこで、今後は官能基修飾による基質の溶解性の向上、またアミノ基修飾等を行い、全合成達成を目指す予定である。
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Research Products
(2 results)