2007 Fiscal Year Annual Research Report
ARFとRab11に結合するFIP3とFIP4の細胞内小胞輸送における役割
Project/Area Number |
06J02756
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古賀 裕士 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞内小胞体輸送 / Rab / ARF / リサイクリングエンドソーム / FIP(Arfophilin) |
Research Abstract |
細胞内の各オルガネラ間のタンパク質の輸送は、あるオルガネラからタンパク質を含む輸送小胞が出芽し、次のオルガネラ膜と融合することにより行われる。低分子量GTPaseの一種ARFには6種類のアイソフォームが存在し、オルガネラ膜上のグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)の働きにより活性型となり、輸送小胞形成を開始させる。一方、Rabは哺乳類には60種類以上が存在し、個々のRabは別個のオルガネラで機能する。特定のオルガネラ膜に結合したRabは、膜上に存在するGEFの作用で活性化し、小胞の特異的な繋留、ドッキング、融合などに働く因子を集合させる。 近年、Family of Rab11-interacting protein (FIP)が同定され、そのC末端に相同性の高い20アミノ酸からなるRab11結合ドメインがあることが示された。FIPファミリーのうちFIP3/Arfophilin-1とFIP4/Arfophilin-2はRab11だけでなくARF5やARF6とも活性型特異的に結合することが明らかとなった。このことから、FIP3とFIP4は二つの低分子量GTPaseを介した経路を結びつけ、小胞輸送を調節する重要なタンパク質であると考えられるが、その生理的役割は不明である。 本研究では、FIP3とFIP4の機能、さらにはARF5/ARF6とRab11の間のクロストークを解明するために、まずFIP3とARF5およびRab11との相互作用について検討した。その結果、FIP3とFIP4のC末端領域にはARF結合ドメインとRab11結合ドメインが別個に存在し、さらにFIP3とFIP4がARFやRab11と同時に結合できることが明らかとなった。細胞中でFIP3/4はRab11依存的にリサイクリングエンドソームに局在し、ARF5/6はFIP3/4に依存してリサイクリングエンドソーム膜上にリクルートされることが判明した。これらのことから、FIP3/4はRab11とARF5/6の機能を仲介することにより、リサイクリングエンドソームを介した輸送を調節すると考えられる。
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