2007 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶構造をもつ有機EL素子に関する研究
Project/Area Number |
06J02776
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石原 邦亮 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フォトニック結晶 / バンド計算 / 有機EL素子 / ナノインプリント |
Research Abstract |
本研究の目的は,フォトニック結晶のもつ光制御性を利用し,有機EL素子の光取り出し量を向上させるところにある.その目的のため,ナノインプリント法を用いたフォトニック結晶有機EL素子の作製手法開発を昨年度までに達成している.本年度は,導入したフォトニック結晶が有機EL素子の発光特性に及ぼす影響について,素子の発光特性に基づく評価と理論解析手法の構築という両側面から基礎的なアプローチを行っている.前者に関しては発光特性を角度-波長分解して測定することで,フォトニック結晶の特徴を如実に示すフォトニックバンド図を示すことに成功しており,有機EL素子内部に元来閉じ込められていた光波がフォトニック結晶により取り出されている様子を明確に示すに至っている.一方で,本素子に特徴的な1次元多層膜が面内方向に周期的に変調された構造を解析するために,空間座標変換と平面波展開の概念を組み合わせたバンド構造の新しい解析法を編み出した.この解析法により得られた結果は,先述の実験に基づくフォトニックバンド図のより詳しい説明を与え, そこからは,消失性干渉や状態密度の増加に伴う発光強度の向上といった現象が生じていると読み取れる.この成果は,フォトニック結晶の特徴の一つである自然発光レートの制御が有機EL素子に対しても可能であることを示唆する重要な成果である.
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Research Products
(1 results)