2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02779
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大宮 寛久 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コバルト / 交差カップリング反応 / N-ヘテロサイクリックカルベン / グリニャール反応 |
Research Abstract |
本研究ではコバルト触媒とグリニャール反応剤を組み合わせ、高反応性コバルト錯体を調製する独自の手法を開発することに成功し、これを利用した新形式の反応を見いだした。2年目の研究課題に取り組む中、コバルト触媒によるハロゲン化アルキルの交差カップリング反応においてN-ヘテロサイクリックカルベン配位子の有効性を見いだした。 ヒドロキシメチル等価体であるトリアルキルシリルメチルグリニャール反応剤とハロゲン化アルキルの交差カップリング反応について検討した。末端にオレフィンの置換したヨウ化物に対して、5モルパーセントの塩化コバルト、10モルパーセントの2,6-ジエチルフェニル基の置換したN-ヘテロサイクリックカルベン存在下、アリルジメチルシリルメチルグリニャール反応剤をジオキサン中室温で反応させるとラジカル環化に引き続きカップリング反応が進行し、対応するシリル化体が収率よく得られた。そしてケイ素上のアリル基をフッ素に置換し、そして直ちに酸化条件で処理するとヒドロキシエチル基が置換した環化体へと収率74パーセントで導くことができた。 また二つの窒素上にメシチル基が置換したN-ヘテロサイクリックカルベン配位子を用いることにより、末端にオレフィンの置換したヨウ化物と1-アルキニルグリニャール反応剤との反応が効率良く進行することが明らかとなった。このヨウ化物に対して、10モルパーセントの塩化コバルト、10モルパーセントのこの.N-ヘテロサイクリックカルベン配位子存在下、1-ヘキシニルグリニャール反応剤を室温で反応させると、対応する環化アルキニル化体が収率80%で得られた。
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Research Products
(4 results)