2006 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸基センシング型人工レセプター分子を利用した糖転移酵素の新規アッセイ法の開発
Project/Area Number |
06J02824
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮原 芳文 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 糖転移反応 / 蛍光検出 / ケモセンサー / リン酸 / レシオ変化 / UDP / 速度論的解析 / 酵素アッセイ |
Research Abstract |
糖転移酵素は一般に糖ヌクレオチドを基質として用いるために、酵素反応の進行と共に生成物である糖鎖に加えてヌクレオチドリン酸種が生成する。例えば、UDP-Gal (UDP-ガラクトース)を糖供与体基質として用いるガラクトシル転移酵素の場合においてはUDPが生成することになる。本研究はこの点に着目し、これまでの研究で開発に成功したリン酸基特異的認識能を有する蛍光レシオ変化型人工レセプター分子を用いてUDPを蛍光検出することにより、糖転移反応の蛍光モニタリング手法を確立した。 ガラクトシル転移酵素をターゲットとして酵素反応を行うと、反応の進行に伴って蛍光波長の変化(レシオ変化)が確認された。マススペクトルによる生成物の確認、HPLCによる定量分析などの実験結果と比較・検証し、本手法が酵素反応を蛍光検出できていることを証明した。 また基質の濃度を変化させた条件でそれぞれ反応させ速度論的解析を行った。Km, kcatなどを算出した結果がこれまでに報告されている値に対して妥当であり、本手法が定量的にアッセイ可能な手法であることが確認された。 本手法は糖供与体・糖受容体の種類や構造には依存することなく、反応によって生成する糖ヌクレオチドのリン酸基部位を蛍光検出するシステムである。そのため検出試薬として機能するケモセンサーを反応系内に共存するだけでアッセイを実施することが出来る。実際にガラクトシル転移酵素だけでなく他の糖種を基質として用いた場合も上記と同様に蛍光モニタリング可能であったことから、一般的で簡便な手法であることが示された。
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Research Products
(2 results)