2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖質バイオセンサーのチップ化による糖鎖の網羅的解析
Project/Area Number |
06J02826
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古学 洋一郎 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | タンパク質工学 / レクチン / 糖質 / アシル転位反応 / 触媒 / ケミカルバイオロジー / 多価効果 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
タンパク質のリガンド認識能を利用した選択的な化学標識法は、レセプタータンパク質の探索やタンパク質の機能改変に有効な技術である。しかし従来の手法は種類が少なく、問題点が多く存在した。そこで新たな概念に基づくレクチン標識法として、糖リガンドを連結させたアシル転移触媒(ST-DMAP)を用いたレクチンへの選択的アシル転移反応を開発した。ST-DMAPが標的レクチンに認識されDMAPユニットがレクチン表面に近接した状態でアシル転位反応を起こし、レクチンの糖結合部位近傍へ部位特異的に機能性分子を導入することができる。モデルレクチンとしてCongerin II(Cong II)に対してラベル化を検討した結果、Cong II-糖リガンド間の相互作用に基づきアシル基転移によるラベル化反応が進行すること、糖結合部位近傍のアミノ酸特異的に修飾されること、ラベル化後もレクチンの活性が保持されていることが明らかとなった。また本手法が高い一般性を保持していることが、糖リガンド部位の変更により糖選択性の異なるレクチンに対しても適用できること、およびアシル化剤の変更によりさまざまな機能性分子を導入できることより確認された。本手法は精製したレクチンのみならず、標的レクチン以外のタンパク質が存在する夾雑成分にも適用可能であり、実際にCongerinIIを過剰発現させた大腸菌破砕液中や、Congerinが天然に存在するアナゴ粘膜組織の破砕液中でも選択的なラベル化に成功した。
|
Research Products
(4 results)