2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02848
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂東 麻衣 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 適応制御 / ファジーシステム / 出力レギュレーション / 複数モデルによる制御 |
Research Abstract |
自律型エアロロボットによる実験の結果,複数モジュールの適応による制御系の有効性を確認してきた.今年度は,実験で用いた制御系の解析を行った.はじめに,単一モジュールによる適応制御系の安定性の解析を行った.本手法では,未知のモデルを学習するための適応プロセスと,各時刻で評価関数の予測値をもとにそれを最大化するような制御系の学習プロセスを同時進行的に行う.このため,単純な適応制御系の安定性の結果は成り立たず,2つの学習プロセスを同時に考慮した解析が必要となる.このため,リアプノブの安定定理とL2-δノルムを用いた解析を行った.その結果,提案手法により同定・制御を安定に行えることがわかった.この結果を拡張し,係数が未知である線形システムの出力レギョレーション問題が解けるための十分条件を導出し,国際学会での発表を行った。また,以上の結果をまとめた論文が国際誌に現在投稿中である. 次に,単一モジュールでの解析結果をもとに,非線形システムの複数モジュールによる適応制御系の解析を進めた.ここで扱う非線形システムはマルチリニアシステムと呼ばれる,複数の線形モデルの和として表される系である.本研究で構築したモジュール型学習モデルはマルチリニアシステムとして記述可能である.この表現を用いて,学習の収束性の解析,複数モジュールの重み付けを行っている信号について解析を行った.その結果,一般の非線形システムに対しては解の爆発が起こる可能性があるため,大域的に解が存在するための十分条件のもとでは,安定に学習および制御できることが明らかとなった.また,マルチリニアシステムはファジーシステムと類似する点が多いが,従来ファジー制御で用いられる制御方法とは異なるアプローチをとっているため,ファジー制御の観点からも考察を加えた.
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