2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02848
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂東 麻衣 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自律ロボット / 適応制御 / 非線形制御 / 出カレギュレーション / 学習制御 |
Research Abstract |
環境の変化に対して、自律ロボットがそれまでの行動方式でうまくそれに対処できないとき、何らかの学習をして環境の変化に適応しなければならない。申請者らはこれまでに、リアプノフの安定定理に基づく複数モジュール型学習を提案し、実機を用いた実験による検証および適応制御理論の観点から解析を行ってきた。しかし、従来の適応制御理論では、複数モジュールの自律的に生成する仕組みを論じることはできない。 近年、物理システムの多くは非線形システムであるため、非線形制御の研究が盛んに行われている。線形システムの制御理論は扱いやすく実用化も多くされているが、非線形システムを扱うには理論的、実用的にも不十分な点が多い。非線形システムに対して多くとられるアプローチに平衡点周りでの線形化があるが、対象が強い非線形性をもつ場合有効ではない。このように非線形システムの非線形性を無視し線形制御を用いる方法では限界がある。また、非線形を陽にあつかう研究に厳密な線形化と呼ばれる方法があるが、制御系設計のためには偏微分方程式を解かなければならず、得られた制御系も直感的にわかりやすいものとはいえない。 そこで本研究では複数モジュールからなる制御系の制御対象を非線形システムとして理論的解析を行った。提案手法は、各モジュールの制御則に線形理論を用いているため制御系の設計が容易であるが、構築された制御系は非線形なものであるためその適用範囲が広く有効であることを明らかにした。さらにモデルに不確定性を含む非線形システムを局所的安定化可能であることを証明した。本研究で扱った擬似的な線形モデルにより表現可能な非線形システムは多く存在し、ファン・デア・ポール振動子はその一例である。数値例として非線形振動子に対して適応的に出カレギュレーションが可能であることを示し有効性を確認した。
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Research Products
(1 results)