2006 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科種子貯蔵タンパク質の分子レベルにおける構造・加工特性相関に関する研究
Project/Area Number |
06J02908
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福田 貴子 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 種子貯蔵タンパク質 / 7Sグロブリン / 11Sグロブリン / 加工特性 / 結晶化 / X線結晶構造解析 / 構造・加工特性相関 |
Research Abstract |
食源性疾患の増大、高齢社会の到来、そして食糧の不足に対するために、脂質代謝改善能をもつ種子貯蔵タンパク質の高度利用法を開発することが望まれる。このためには、種子貯蔵タンパク質の構造と加工特性の相関を解明することが必要である。そこで、以下のように研究を進めた。 1.各種種子タンパク質の大腸菌発現系の構築、精製、結晶化と構造解析 アズキ7S、エンドウ11S、バンバラマメ11SのcDNAの大腸菌発現系を構築し、組換え型の発現タンパク質の特性を明らかにするとともに、結晶化に供した。その結果、アズキ7S2種とエンドウ11Sの結晶化に成功し、アズキ7S2種についてはx線結晶構造解析によって1.8Aと2.25Aの分解能で立体構造の解明に成功した。1.8Aの分解能は、これまでに報告されている7Sの構造の中で最も優れたものである。 2.種子7Sの構造・特性相関 所属研究室がこれまでに特性と立体構造を解明していたダイズ7Sα'とβ、マングビーン7Sαに加えて、今年度に解明したアズキ7S2種の特性と立体構造との関係を総合的に考察した。その結果、熱安定性は多くの要因の総合として決まるが、キャビティーの大きさの寄与が大きい可能性があること、表面疎水性は、脂肪族性、芳香族性を問わず、疎水性領域の分布割合のみでは決まらないこと、低イオン強度下中性から弱アルカリ性における溶解性は、静電ポテンシャル状態によって決まることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)