2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナミビア北部に居住するオヴァンボ農牧民の生業変容と地域動態に関する研究
Project/Area Number |
06J02958
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤岡 悠一郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | キャトルポスト / 自然資源利用 / グローバリゼーション / ナミビア / 農牧民 |
Research Abstract |
2006年4月1日〜5月6日まで、ナミビア共和国北部オシャナ州ウウクワングラ村において、農牧民オヴァンボの自然資源利用と近年におけるその変容に関する調査を行った。なかでも、ナミビア北部で近年特徴的な現象である、キャトルポストとよばれる私設放牧地の設置に注目し、そこでの牧畜活動や資源利用活動に焦点をあてた。その結果、1980年代以降、村の数世帯が村から数十km離れた地点にキャトルポストを設置し、新しい形態の牧畜活動を行っていることが明らかになった。キャトルポストをもつ世帯は、都市部で職を持つ富裕世帯であり、職を通じて獲得した現金を牧畜に投資していた。すなわち、キャトルポストの増加は、村内の経済格差の拡大を示しているようにもみえる。しかし、その一方でキャトルポストを持つ世帯は、そこで得られる畜産物や厩肥・食用昆虫・建材などの自然資源をキャトルポストを持たない世帯に贈与している実態も明らかになった。 このフィールドワークを通して得られた内容について、日本アフリカ学会、国際地理学会、日本地理学会、21世紀COE国際シンポジウムにおいて発表を行った。また、同内容について「エコソフィア」、「アジア・アフリカ地域研究」に論文として投稿した。 また、21世紀COE国際シンポジウムおいては、"Globalisation and Locality in Southern Africa : View from Local Community"というタイトルのワークショップを開催し、グローバリゼーションの進行というマクロな視点から、ナミビア北部におけるキャトルポストの展開について考察を行った。その内容については、「ASAFAS Special Paper」に論文として投稿した。また、1月28日〜3月31日まで同地域において補足調査を行い、特に村内に生育する果樹の所有形態や利用状況について明らかにした。
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Research Products
(5 results)