2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02972
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉浦 孔明 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | センサ進化 / 身体性 / 形態による計算 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ロボットのセンサ形態と制御系の設計論を統合し,ロボット設計システムとして実装して有効性を実証することである.既存研究では,ロボットのセンサは,アクチュエータや制御系とは別の観点から設計されることが多い.これに対し本研究では,ロボットの形態のうちセンサに着目して,形態・制御系・環境の相互作用を積極的に利用するアプローチを採る. 本年度は,まず,移動ロボットのセンサ形態と制御系をシミュレータ上で同時に設計する手法を提案した.本手法は,強化学習により制御系の設計を行なうと同時に,設定した時間内にタスクの達成度が高い形態を遺伝的アルゴリズムにより設計するものである.本手法をライントレースロボットの設計に適用し,得られた設計解を実機に実装したロボットが,不規則なセンサ配置を効果的に利用してタスクを遂行できることを明らかにした.くわえて,評価値が高い形態が制御系の学習に与える影響を,情報理論的尺度を用いて検討した.その結果,強化学習の枠組みにおける経験系列の複雑さが小さくなる,つまり学習がスムーズに行なえるほど,形態の評価値が高くなる傾向があることを示した. さらに,形態が変化し得るロボットの身体モデルを推定する方法として,未解釈のセンサデータから身体モデルを構築する手法を提案した.提案手法は,光センサが遮蔽されることによって生じるTDOA(Time Difference of Arrival)からセンサ間距離を逐次的に推定し,多次元尺度法を用いてセンサ位置を低次元空間にマッピングするものである.シミュレータ上で対向2輪型ロボットと4足歩行ロボットの2種類の形態に対して本手法を適用し,推定位置の相対誤差が実用に十分な範囲に収束することをシミュレーション実験により示した.
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