Research Abstract |
本研究の目的は,次世代の制御手法として期待されている予測制御法に関し,現実的な問題設定のもとで実装手法を与えることである。これを達成するため,1.モデルの不確かさを考慮する,2.制御に用いることのできる情報は制御対象の観測出力のみ,3.高速に実装できる方法である,の三つの課題に取り組んだ. これらの問題を解決する方法として目標値追従問題において,目標値列を改変しシステムに与えることで,制約条件を満たしたうえで,最適な追従性能を実現する手法を与えた,この方法は,閉ループ系の時間領域での入出力情報のみをとらえるという点で出力フィードバック制御に適す,特に,時間領域で定義される不確かな入出力の情報を組み合わせる方法について,応答情報が定常値項を持つ場合へと拡張した.これは,フィードバック安定化された閉ループ系に,入力制約が存在する場合に手法を適用する際重要となる.さらに,目標値が周期を持つ場合にも対応させ,より一般的な問題に対応させた.本内容は,海外雑誌IEEE Trans.on Autom.Gontr.に採録されることが決定している. また,モデル予測制御はモデルに基づき未来の状態や出力を予測するため,モデルの精度が非常に重要となる,本年度は,モデル予測制御以外にも,より精度の高いモデルを得るためのシステム同定についても研究を行った.特に,モデル予測制御を用いる際には,計算量を軽減するために,モデルを低次元化することが有効である,この点を踏まえ,システム同定において低次元モデルを得るための最適同定入力の設計について検討し,そのような入力が凸最適化により得られることを示した.
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