2007 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起の伸長や、軸策の太さと本数を調節する細胞質ダイニンの解析
Project/Area Number |
06J02992
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 大祐 Kyoto University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 樹状突起 / ダイニン / Rab5 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
樹状突起のパターン形成を支える分子機構は、神経系構築において重要な問題であるにもかかわらず、不明な点が多い。我々はショウジョウバエda neuronの樹状突起の形態に異常を示す変異体をスクリーニングした結果、細胞質ダイニンのサブユニット(Dlic)の変異体を分離した。この変異体は、樹状突起の長さ、分岐数、分岐位置、及び軸索の太さに異常を示した。昨年度はエンドソームに関与する分子Rab5が、ダイニンと相互作用している可能性が示唆されたので、その点をさらに研究した。 ダイニン変異体ダイニンの変異体で見られる樹状突起の異所的な分岐がRab5に依存するのかを調べる目的で、da neuronでダイニンとRab5の双方の機能を同時に喪失させた。その結果、異所的な分岐を抑制することができたので、ダイニン変異体に見られる異所的な分岐はRab5に依存することが示唆された。 これまでに、キネシン変異体はダイニン変異体と同様の樹状突起のパターン異常を示し、樹状突起中でのダイニンの分布パターンに異常が見られる結果を得た。このことから、キネシン変異体においても、エンドソームの分布に異常が生じることが予想された。キネシン変異体におけるエンドソームの分布パターンを調べた結果、樹状突起にあまり分布していないことが分かった。これらの結果から、樹状突起の分岐位置の決定において、ダイニンによるRab5エンドソームの輸送が重要な役割を果たすことが示唆された。
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Research Products
(5 results)