2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 朗 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員DC2 (10580152)
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Keywords | シャペロニン / CCT / ポリグルタミン病 / 蛍光相関分光法 / RNAi |
Research Abstract |
ヒト培養細胞において,細胞質シャペロニンCCTのRNAiノックダウン系と過剰発現系を確立した.8種類あるCCTのサブユニットのうち,zetaあるいはalphaサブユニットをノックダウンすると,全てのサブユニットが単量体化し,シャペロニンとしての機能を有しないことを明らかにした.また,CCTの8種類全てのサブユニットを同時に過剰発現する系を確立した. これらの系を用いて細胞内において,CCTがポリグルタミン(polyQ)タンパク質の凝集状態へ与える影響について解析した.CCTは,伸長polyQタンパク質の凝集体形成率を上昇させることを,顕微鏡観察ならびにフィルタートラップ法を用いることによって見出した. 細胞内在性のCCTと,これまでにpolyQ凝集体形成との関係が指摘されていた分子シャペロンであるHsp70を免疫抗体染色したところ,Hsp70がpolyQ凝集体に集まってくるのに対し,CCTは凝集体近傍には多く集積してこないことを明らかにした.これらの結果から,CCTは凝集体形成を抑制するが,それは大きくなった凝集体に作用するものではなく,より小さなオリゴマーの状態で凝集抑制に寄与しているのではないかという仮説を立てた.この仮説を実証するため,オリゴマーを直接的に同定できる蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy, FCS)を用いて解析を行った。FCS法により,CCTのノックダウンを施した細胞内では,polyQの可溶性オリゴマーが増大していることを見出した.また,伸長polyQ鎖を発現させた細胞神経培養細胞でCCTをノックダウンしたところ,細胞死の頻度を増加させ,逆にCCTを過剰発現すると細胞死が抑制できることを見出した.
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Research Products
(4 results)