2006 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物1次元ナノ材料の合成とその応用に関する研究
Project/Area Number |
06J03048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
パワスプリー S 京都大学, エネルギー理工学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / 酸化チタン / ナノワイヤー / ナノロッド / ナノチューブ / ナノシート / ナノアレイ / 多孔質電極 |
Research Abstract |
熱的安定性に優れた一次元ナノ材料の創製と、形態・サイズの制御と等軸状ナノ粒子との複合化により、新しい三次元構造で高いラフネスファクターをもつ薄膜電極の構築、すなわち焼成プロセスでも構造が安定な各種結晶構造のナノワイヤー・ナノロッド状TiO_2を合成し、色素増感太陽電池用電極として高効率化を図った。具体的には、水熱合成-熱処理複合プロセスで、結晶相と形状・サイズを制御したTiO_2ナノワイヤー・ナノロッドを作製し、市販の酸化チタン微粉末と同様に酸化物半導体電極を作製してそのセル特性を評価した。とりわけ、水熱処理時間を従来の48-120時間程度から24時間程度に短縮することでナノワイヤーの結晶成長を途中の段階で停止させるとともに、酸によるイオン交換処理、大気中での熱処理の最適化により、アナターゼナノワイヤーとやや大きなルチル粒子が混在した生成物を得ることができた。部分ナノワイヤー化TiO_2では、多孔質電極の膜厚が5.6μmと薄いにも関わらず、最も高い性能を示し、6.0%の効率が得られた。短絡電流密度は、11.9mA/cm^2、開放電圧は0.754V、フィルファクターは0.673とそれぞれ比較的高い値が得られた。1D+0Dの部分ナノワイヤー化構造をより微細化してナノロッド/ナノ粒子複合電極とした場合には、7.1%の光電変換効率が得られた。さらに、水熱合成法における結晶成長をより一層進展させて、ナノチューブやナノワイヤーを凌駕する比表面積642m^2/gをもつナノシート状構造体酸化チタンを作製した。このナノシート状構造体酸化チタンを電極として利用した場合の光電変換特性を検討した結果、短絡電流密度の向上が観測され、7.1%の光電変換効率が得られた。また、1Dナノ材料が配列したナノアレイ等の3次元構造を有する電極の構築についても現在検討している。
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