2007 Fiscal Year Annual Research Report
共生窒素固定に関与するマメ科植物のABC蛋白質の機能と生理的役割
Project/Area Number |
06J03051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉山 暁史 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ミヤコグサ / 共生窒素固定 / 根粒形成 / ABC蛋白質 / PDR / リアルタイムPCR / ジャスモン酸 |
Research Abstract |
本研究では、共生窒素固定(SNF)において重要な役割を担うマメ科植物のABC蛋白質を同定し、その物質輸送機能と生理的意義を包括的に明らかとすることを目的としている。本年度は、昨年度の研究でミヤコグサゲノム解析から見出したCM0026.74(以下LjPDR1)を解析対象として分子生物学的研究を行った。LjPDR1は全長1,433アミノ酸からなり、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)やタバコ(Nicotiana plumbaginifolia)において感染防御応答に関与するとされるAtPDR12(70%)やNpPDR1(71%)と高いアミノ酸相同性を有した。LjPDR1は根で特異的に発現し、根粒形成やメチルジャスモン酸処理によって顕著に発現誘導された。LjPDR蛋白質に対するペプチド抗体を用いて、不連続ショ糖密度勾配遠心法及び水性二層分配法により細胞内局在性の解析を行い、LjPDR1は細胞膜局在であることを明らかにした。LjPDR1プロモーターの下流にβ-glucuronidase(GUS)遺伝子を連結し、毛状根を用いて組織特異的な発現解析を行うと、根粒原基や成熟中の根粒、側根原基、根端、さらに主側根の根端に近い領域の中心柱において強いGUS染色が認められた。切片を作成して解析すると、根粒においても根粒維管束周辺の細胞で発現が認められた。以上の結果より、LjPDR1は、根では中心柱から皮層細胞側へ、根粒では根粒維管束から根粒細胞側への代謝物の輸送を担うABC蛋白質であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)