2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物繊維のナノファイバー化とエレクトロニクスデバイス用透明ナノ複合材料の開発
Project/Area Number |
06J03053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩本 伸一朗 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セルロース / ナノファイバー / ナノコンポジット / 透明材料 |
Research Abstract |
本年度はグラインダー(石臼式磨砕機)を用いた木材パルプのナノファイバー化について、原料パルプの構成成分とナノファイバー化の難易の関係、また、膨潤処理によるナノファイバー化の促進について検討を行った。構成成分とナノファイバー化難易の関係については、木粉の脱リグニン処理のみで作成したパルプは、乾燥によりナノファイバー化しやすさはほとんど変化しなかった。一方、脱リグニン後さらに脱ヘミセルロース処理し作成したパルプでは、乾燥によりナノファイバー化しやすさは明らかに低下した。これらの結果は、乾燥によるパルプの角質化(Hornification)が、ナノファイバー化処理を妨げることを示唆した。この研究成果は、セルロース学会、木材学会、International cellulose conference、にて発表し、論文としてまとめ、Biomacromolecules誌に掲載された。 膨潤処理によるナノファイバー化促進については、グラインダー処理前に、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)、テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)、DMAc/LiCl溶液を用いパルプに膨潤処理を行い、ナノファイバー化の程度を評価した。その結果、セルロースの結晶変態が生じない低濃度領域のNaOH水溶液、TMAH水溶液において、ナノファイバー化促進効果が見られた。特に12.5%TMAH水溶液を用いた膨潤処理がナノファイバー化の促進に有効であった。この研究成果は、木材学会にて発表した。
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Research Products
(1 results)