2006 Fiscal Year Annual Research Report
各種制震装置を複合配置した場合の減衰性能評価とその最適制御設計法に関する研究
Project/Area Number |
06J03061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白山 敦子 京都大学, 防災研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 履歴減衰ダンパー / 粘性減衰ダンパー / 複合利用 / 地震応答特性 / 構造制御 / 減衰効果 / エネルギー吸収 / 累積塑性変形倍率 |
Research Abstract |
本年度は、履歴系ダンパーと粘性系ダンパーを複合配置した場合の減衰性能(振動特性)について、地震応答解析を中心とした検討を実施した。 具体的内容としては、近年、免震建物が高層化するにつれて、免震構造の減衰効果を高めるためにアイソレーターと履歴系ダンパーの他に粘性系ダンパーを併用し、免震層を構成する例が数多く見られる。そこで、履歴減衰を有する免震層に粘性減衰を付加した場合の地震応答性状について検証して、その減衰効果について考察を行った。また、オイルダンパーに代表される粘性系ダンパーと鋼材ダンパーに代表される履歴系ダンパーを同一層にパラメトリックに組み合わせて配置し、激震時における各種減衰要素の地震入力エネルギーの消費分担割合等を算出した。 その結果、免震層の各種応答については、付加する粘性減衰の値に応じて、せん断力応答、最大変形、累積塑性変形などを低減することが可能であることがわかった。しかしながら、免震層を除く上部構造の地震応答については、逆に粘性減衰を付加することで免震(絶縁)効果を低下させていく結果となり、上部構造の応答が粘性減衰を付加しない場合と同じ程度となるか増大することが確認された。 今後の予定としては、この数値シミュレーションの結果より、各減衰要素の減衰力を同程度とした場合や、どちらかの減衰要素の割合が大きい場合の減衰効率ならびに地震応答(せん断力応答や変位応答)を求め、履歴系ダンパーと粘性系ダンパー(減衰機構の異なるデバイス要素)を複合配置した際の構造システム全体に対するそれぞれの減衰に対する関与度や複合効果、複合度合いによる地震応答との関連性、地震入カレベルの違いによる減衰性能の差など比較を含めた体系的な評価・検証を行う。
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Research Products
(10 results)