2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジェンダーとセックス、言説と物質の相互作用・相互規定の入れ子構造モデルの検討
Project/Area Number |
06J03153
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松沢 陽子 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 2D / 4D比 / BSRIスコア / ジェンダー・アイデンティティ |
Research Abstract |
現在の研究実績内容は、大きく分けて二点である。 一つ目は、卒論・修論として提出したものを、博士課程においてさらに継続して細部を検討し、練り直す作業である。2D/4D比とBSRIスコアのあいだに相関関係が認められたという卒論の結果は、2006年度に論文として発表した。これは、ジェンダー・アイデンティティが、後天的・社会的な要因だけではなく、身体内部からの作用によっても方向付けられうることのみを簡潔に示したものである。そのため、その前段階に至る議論として、生物学的知見を忌避あるいは無視/否定/棚上げする傾向のあるジェンダー論の限界に対する論評を加えて、現在、海外の専門誌に投稿するべく、見直し・書き換え作業中である。同様に、新聞の健康相談記事内容の変遷をたどることで、より広義に、物質が言説に影響を与える過程に着目した修論の内容も、発展させて2007年度中に論文として発表できるよう準備中である。 二つ目は、社会調査の基礎知識の充実、特にSPSSの習得を目的とした活動である。日本版General Social Surveys(以下JGSS-2005)プロジェクトメンバーとして、調査票に挿入する設問項目の作成・検討、プリテストの実施、体験抽出、東大阪市での対象者抽出等の作業を行ない、調査実施後にはJGSS-2005データをもとに二次分析を行った。この結果は論文として発表したが、更なる分析の余地もあるため、現在検計中である。
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Research Products
(2 results)