2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03189
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永井 健 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非平衡開放系 / Marangoni効果 / 自発的運動 / 界面張力 / モード変化 |
Research Abstract |
平衡統計力学はこれまでに理論体型が組み上げられているが、非線形非平衡状態においては平衡状態の自由エネルギーのような指標がなく、普遍的な理論を構築するのが困難である。非平衡状態においてしばしば非対称性が自発的に生まれ、条件を変えることによってその非対称性のモードが変化する。このモード変化には平衡状態における自由エネルギーのような普遍的な指標が存在すると考えられる。本研究ではマランゴニ効果による自発的運動のモード変化を調べ、メカニズムの解明をすることで、非平衡状態において生まれる自発的運動の普遍的な側面を切り出すことを目指す。 このような目的の下今年度は主に水面上のアルコール液滴の自発的運動に関する研究行い、本年度次のような結果が得られた。 ・アルコール界面の不安定化の様子を調べ、アルコール液滴が運動モード変化を起こすスケールとほぼ同等の波数の構造が不安定化することがわかった。今後、界面の不安定化が温度や水相のペンタノール濃度などの外部環境に依存して変化し、それに応じて液滴の運動モードも変化することがわかった。また、界面の時間変化を調べると、界面に波が伝わっていることがわかった。 ・液滴が起こす不規則運動を解析し、短時間的には直進しているが、長時間的に見るとブラウン運動的に運動していることがわかった。 ・液滴の大きさを調整することによって液滴の変形と運動がカップルし、自発的に往復運動を起こすことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)