2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03189
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永井 健 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マランゴニ効果 / 自発的運動 / 非平衡開放系 / 非線形物理 / パターン形成 |
Research Abstract |
本年度水面上のアルコール液滴の自発的運動に関する研究を行い、次のような結果が得られた。 ・飽和濃度近くのアルコール水溶液上にアルコールを浮かべたとき、アルコール・水界面がどのように変形するかを調べた。アルコール・水界面は自発的に変形し、その変形を詳しく解析すると、界面上に周期的な進行波がたっており、その振幅が大きい時間と小さい時間が交互に繰り返していることがわかった。また、その変形のパワースペクトルを調べると、一定波長以上の構造のみがたっていることがわかった。界面上で不安定化しない波長より周囲長が短いアルコール液滴を水面上に浮かべると液滴はほとんど変形せず自発的な不規則運動を起こすことがわかった。また、界面上で不安定化する波長と同じ長さの周囲長を持つアルコール液滴を浮かべると液滴は自発的に変形し、直進運動を起こすことがわかった。 ・水面上の弾性膜のモデルをべースにした液滴の自発的運動を表すモデルを金沢大学長山雅治准教授と構築した。そのモデルを用いて、液滴の分裂を再現することができた。今後このモデルを用いて液滴の運動モード変化のメカニズムを明らかにすることが期待できる。 ・水面上のアルコール液滴が起こす変形の力の起源を調べるために水中を運動するアルコール液滴がどのような変形を起こすかを調べた。それにより、水中の液滴は水面上で動く液滴に比べてほとんど変形しないことがわかった。このことから水面上の液滴が起こす変形には水の抵抗があまり影響していないことがわかった。
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Research Products
(4 results)