2007 Fiscal Year Annual Research Report
30cm角大型ガンマ線カメラの長期気球実験・衛星搭載に向けての開発・性能評価
Project/Area Number |
06J03209
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 香里 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 宇宙線 / ガンマ線 / コンプトンカメラ / ガス検出器 / MeVガンマ線天文学 |
Research Abstract |
電磁波天文学は、0.75〜30MeVでは、COMPTELの観測のみしかない。COMPTELは他の領域と比べて1桁以上感度が悪く、同じくCGRO衛星に搭載されGeV領域を観測したEGRETが発見した天体の数より1桁少ない。したがって、ガンマ線全天探査によって、さらなる天体の発見が見込まれる。そこで我々は、0.1〜20MeVでCOMPTELの10分の1(10 mCrab)の感度、数度の角度分解能(3-6度:1MeV以下、1-3度:1-10MeV、1度以下:10MeV以上)で全天探査を行うことを目指して、電子飛跡追跡型のガンマ線カメラを開発している。この検出器は、コンプトン散乱による反跳電子をとらえるガス検出器(μ-TPC)と、散乱ガンマ線をとらえるジンチレーターから成っている。 これまでは、10cm立方のμ-TPCからなるガンマ線カメラで原理実証を行ってきたが、目標としている感度を達成するためには、検出器の大型化が必要不可欠である。そこで、30cm立方のμ-TPCを製作し、6mm角GSO(Ce)アレイを周囲に配置して、ガンマ線カメラを作成し、イメージングに成功した。また、衛星搭載実験のためには、回路を高密度化し、また消費電力を抑える必要がある。そこで、KEK測定器開発室と共同でCMOSチップを開発している。試作チップを検出器に接続し、性能評価を行った。これらの結果をもとにし、平成20年度には、最終版のチップを製作する予定である。さらに、反跳電子の飛跡を精彩にとらえることが、ガンマ線カメラの分解能向上につながる。そして、それには、μ-TPCの読み出しであるμ-PICをきっちり性能評価し、高性能化する必要である。そこで、μ-PICの性能評価のために、SPring-8にてX線をμ-PICに照射する実験も行った。
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Research Products
(5 results)