2007 Fiscal Year Annual Research Report
加速器ニュートリノを用いたニュートリノ相互作用の精密測定
Project/Area Number |
06J03211
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗本 佳典 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | SciBooNE / SciBar / シンチレーター / 中性パイ粒子 / Fermilab / ニュートリノ / データ取得システム / ミューオン |
Research Abstract |
前年度で、ほぼSciBooNE検出器のデータ取得システムの構築を終え、2007年5月には検出器Fermilabのブースターニュートリノビームライン下流100mのところにインストールした。6月から8月の加速器シャットダウンまでの約二ケ月間反ニュートリノビームデータを取得し、加速運転開始後の10月よりニュートリノビームによるデータを取得し続けている。ビームデータを取得中、私はデーター取得システムのエキスパートとして、データ取得中の検出器が常に安定であるように努めた。また、加速器シャットダウン中は宇宙線を用いてSciBar検出器のエネルギー閾値を最適化し、ミューオン崩壊による電子の信号に対するノイズの割合を圧倒的に減らした。これまでこの検出器ではミューオンの識別として全感知型のプラスティックシンチレーターであるSciBar検出器で出来た粒子が下流のミューオンレンジ検出器まで達していることを要求せねばならなかった。しかし崩壊電子の信号を使えば、SciBar内で止まったミューオンも識別できる。この事は従来のSciBooNE検出器より低いエネルギーのニュートリノも精度良く測定可能なことを意味している。また秋ごろからはデータの解析もすすめている。私は中性カレント反応で中性パイ粒子を伴う反応の測定をしており、この解析の際には逆に終状態にミューオンがないという事を要求する必要がありこの際にも崩壊電子の情報が使える。また、この解析の現状は2008年四月のアメリカ物理学会で報告する予定である。
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