2006 Fiscal Year Annual Research Report
TeVγ線ステレオ観測を用いた超新星残骸銀河面探査による粒子加速機構の系統的解明
Project/Area Number |
06J03212
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 悠介 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 大気チェレンコフ望遠鏡 / TeVガンマ線 / 超新星残骸 |
Research Abstract |
5月から7月にかけて超新星残骸との関係が示唆されているHESS J1804-216の観測を行った。この観測のため5月から6月にかけてォーストラリアの観測所に1ケ月間滞在した。解析プログラムの開発を行なうと同時に、取得したデータの解析を行ない、5シグマ以上の有意度でガンマ線を検出することが出来た。さらにそのフラックスや形態などを求めた。これらの結果と他の検出器による観測結果を比較検討し、ガンマ線の放射機構に関する考察等を行なった。特に線衛星SUZAKUとのフラックスの比較により、TeVガンマ線が年齢が10万年以上の古い超新星残骸から来ている可能性を示せた。上記の結果は春季物理学会で発表した。また上記の結果を学術論文にまとめるべく現在執筆中である。 また望遠鏡の性能改善のため、光量情報取得に用いるAnalog Memory Cellの開発を行った。Analog Memory Cellは一般的にはキャパシターアレイと呼ばれるもので、多数のキャパシターを並べることで、入力信号の波形情報を得ることが出来る。このAnalog Memory Cellの開発を高エネルギー加速器研究機構と協力して行った。1ナノ秒の時間分解能で512ナノ秒間の波形情報を取得できるAnalog Memory Cellの試作チップの評価を行い、チェレンコフ望遠鏡の使用に十分であるダイナミックレンジとリニアリティがあることを確認した。一方で読み出し速度はまた不十分であり今後3の課題であることも確認した。
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