2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03219
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福江 翼 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 太陽系外惑星 / 惑星大気 / 輻射輸送 |
Research Abstract |
惑星大気のモデル構築のためには、定常状態の理解が重要であるが、いまだ系外惑星大気の理解は不十分である。特に惑星大気は中心星の照射にさらされており、大気中の光の挙動をできる限り精密に取り扱う輻射輸送計算がモデル構築に大きく貢献する。また、そのような計算は振動数ごとの放射エネルギー分布を導出することや、観測と理論の比較のためにも重要となる。 そこで、できる限りさまざまな物理プロセスをモデリングし取り込んでいけるよう、なるべく柔軟で、かつさまざまな応用が期待できるよう汎用的な輻射輸送計算のプログラムの開発・改良を続け、計算を行った。プログラムは空間3次元的であり、かつ空間に対称性を仮定していない。このことにより、系外惑星大気が中心星の潮汐力などの効果により球からずれ非対称性が重要になるような状況があっても対応できるものと考えられる。また、大気中のダストなどによる効果も重要であると考えられるため、ダストなどの光学的特性をふまえて、偏光状態も加味した計算となっている。計算例の応用を続けており、学会等で研究発表を行った。 また、大気の流体としての基本的な物理機構として、熱的不安定性は、不安定の成長、振動の可能性をもっておりその理解が重要となっている。惑星大気は冷却および加熱のプロセスが単純ではなく、また部分的に電離している効果が表れる可能性もある。部分電離プラズマの熱不安定性に関して、磁場の効果や摩擦の効果が特徴的に表れうることを示した理論研究が論文として出版されるにいたった。
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Research Products
(6 results)