2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03219
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福江 翼 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 太陽系外惑星 / 惑星大気 / 輻射輸送 / 星惑星形成 |
Research Abstract |
惑星大気モデルを構築するためには、定常状態の理解が重要となる。しかしながら、いまだ系外惑星の大気は観測的な情報が少ないこともありその理解は不十分である。特に惑星大気は中心星の照射にさらされており、大気中の光の散乱の効果をできる限り精密に取り扱う輻射輸送計算がモデル構築に大きく貢献する。また、大気を構成する物質の理解、特にダストの理解が重要となる。大気中に生成するダストの影響や周囲のダストの影響の可能性についても、惑星大気の観測の議論に際して無視できない。柔軟で、かつさまざまな応用が期待できるよう汎用的な輻射輸送計算のプログラムの開発・改良を続け、同時に応用計算を進めた。大気中のダストなどによる散乱も重要であると考えられるが、光の散乱に際してはしばしば光の振動状態が特殊な影響を受ける。いわゆる偏光状態を正しく取り扱う必要がある。輻射輸送計算においてはダストなどの光学的特性をふまえて、偏光状態の散乱による変化を追うようにもすることができている。具体的な応用計算として、系外惑星ができつつある可能性がある遷移天体の実際の観測例への応用を進めた。さらに、偏光を取り扱うにはその偏光の成分として、直線偏光だけでなく円偏光の理解も重要となる。しかし、赤外線での円偏光観測例は少なくまだよくわかっていないことが多く、その生成機構についてもはっきりしていなかった。我々は、大規模な星惑星形成領域であるオリオン領域の、類を見ない広視野での近赤外円偏光撮像観測の研究を進めた。画像上の直線偏光や円偏光などの物理量の相関を調べ非球体のダストの整列がオリオン領域での円偏光生成を引き起こしていることを明らかにした。
|
Research Products
(12 results)