2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03219
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福江 翼 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 太陽系外惑星 / 惑星大気 |
Research Abstract |
1 母星に近く強い照射を受けたhot Jupiterなどの系外惑星大気中から流出した物質が母星の周囲に漂う場合、独特の輝線を発する可能性がある。そのことから惑星大気モデルの外側境界条件の理解を深められないか研究を行った。大気散逸に伴う彗星のような尾から輝線が発する場合、母星と惑星からの光を空間的に分離できなければ、惑星の公転に伴い母星のスペクトル上で輝線が振動する可能性がある。さらに、系外惑星の周囲に木星同様な惑星磁気圏に捕獲されたプラズマトーラスが存在する場合にも独特の輝線を発する可能性がある。その特徴から惑星の超高層大気となっているプラズマトーラスの理解につながりうる。特に、衛星によるトーラス輝線の遮蔽効果が無視できなければ、その超高層大気から届く輝線が特有の振動を起こすことがわかった。この振動を観測できれば、衛星の存在及び、プラズマトーラスの存在そのものの理解につながると思われる。また、トーラスのモデル化に関して、降着円盤の理論を応用しさらに複雑なモデル化も行った。 2 惑星大気中にはダストが存在すると思われるが、惑星大気の流出にひきずられることでダストが流出してくる可能性があり、この点から惑星大気中のダストに対して理解が深められないか検討を行った。現在見つかっている、ある系外ガス惑星で検討してみたところダストの大きな流出は難しいようである。 3 大気モデルを考察する上で大気の組成が重要であるため、特定の波長の光によつて大気中の特定の元素が流出させられる可能性を考察した。まず水素原子特有のある一つの輝線だけで考察したところ、熱的散逸に比べて効果は小さいようである。複数の波長の光による効果や他の原子に関しても調べる必要があるだろう。
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