2006 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体に由来する新規オルガネラ"ER body"の解析
Project/Area Number |
06J03246
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永野 惇 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ER body / 小胞体 / ベータグルコシダーゼ / ジャカリン様レクチン / 病害 / シロイヌナズナ / GDSLリパーゼ / メタボローム |
Research Abstract |
シロイヌナズナの根に見られるオルガネラ"ER Body"の機能を明らかにするため、その構成たんぱく質であるPYK10ベータ・グルコシダーゼの解析を行った。その結果、PYK10ベータ・グルコシダーゼは植物組織破壊後にジャカリン様レクチン、GDSLリパーゼと相互作用し、数マイクロメートルにおよぶ巨大な複合体を形成することがわかった。正常な組織中では、PYK10はER body、ジャカリン様レクチンは細胞質、GDSLリパーゼは細胞外に局在するが、病傷害によって組織が壊された時、初めて出会い複合体を作ると考えられる。また、ジャカリン様レクチン、GDSLリパーゼを欠損する変異体を単離し、解析したところそれらの変異体ではPYK10複合体のサイズが大きくなることがわかった。このことからジャカリン様レクチン、GDSLリパーゼはPYK10複合体のサイズを調整していると考えられる。PYK10は病傷害を受けた際、その基質を分解し抗菌物質などを産生すると考えられている。そこから推定するに、PYK10は巨大な複合体を形成することで菌などの分泌するプロテアーゼなどによる分解を免れていると考えられる。実際、PYK10複合体は抽出後もきわめて安定で、室温で24時間以上変わらぬ活性を保っている。現在、PYK10の天然気質を同定するため、かずさDNA研究所と共同でメタボローム解析を行っている。すでに候補化合物を得ており、さらに詳しく解析するため京都大学化学研究所との共同研究を進めている。
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