2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03259
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松浦 清人 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 追従眼球運動 / 仮現運動 / 運動エネルギーモデル / 1次運動 / 運動検出 |
Research Abstract |
1.サルの行動実験により、追従眼球運動は輝度等の1次の刺激属性で定義されるパターンの運動を検出する低レベルの運動検出メカニズムを用いて引き起こされることを示した。 Missing fundamental刺激、3f4f刺激を基本周期の1/4ずつ移動させたときに生じるサルの追従眼球運動を計測したところ、刺激パターンを移動させた方向とは逆の方向、即ち刺激に含まれる最も影響力の強いフーリエ成分(3f要素)の動く方向に動いた。また、3f要素のコントラストを変化させ、上の2つの刺激で起こる追従眼球運動と3f要素(刺激)で起こる追従眼球運動を計測、比較したところ、低コントラストではほぼ等しくなっていた。これらのことから、低コントラストの条件下ではサルは刺激から最も影響力の強いフーリエ成分を検出しておりぐこのフーリエ成分が主に追従眼球運動を支配していることが分かった。 2.サルの行動実験により、追従眼球運動は競合する2つのフーリエ成分の相対的なコントラストに対して非線形な依存性を示していることが分かった。 Missing fundamental刺激を構成しているフーリエ成分の中から2要素を取り出して、3f5f刺激、3f7f刺激を新たに用意した。前者は2要素が反対方向に動くのに対して、後者は2要素が同方向に動くという特徴をもつ。3f要素のコントラストを変化させて、これら2刺激を基本周期の1/4ずつ移動させたときに生じるサルの追従眼球運動を計測したところ、2要素のコントラストが約3倍以上離れている時にはコントラストの高い方の要素がほぼ完全に追従眼球運動を支配している(Winner-Take-All)のに対して、約3倍以内に収まっている時には双方の要素が追従眼球運動に影響を与えていることが分かった。このように追従眼球運動は2要素の相対的なコントラストに対して非線形な依存性を示していることが分かった。
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Research Products
(1 results)