2006 Fiscal Year Annual Research Report
L型DNA固定化DNAマイクロアレイの開発とCAGリピート結合分子の開発
Project/Area Number |
06J03285
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 剛介 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | L型DNA / SPR imaging / PCR / SNP |
Research Abstract |
L-DNAは天然に存在するDNA(D-DNA)の鏡像体であり、ユニークな性質を持っている。一つは、D-DNAがその相補鎖と2重鎖を形成するのと同様に相補的な配列を持つL-DNAとハイブリダイズし、安定なB型左巻きの2重鎖構造を形成するということである。ただ、互いに相補的な配列を持つL-DNAとD-DNAはその糖骨格のキラリティーのため安定構造をとることはない。そのキラリティーはタンパク質の相互作用にも効いており、D-DNAを認識するタンパク質がL-DNAは認識できない、という報告がなされている。我々はこのようなL-DNAの特徴ある性質を用いて、PCR産物をラベル化することに成功した。まず、L-DNAのホスホロアミダイト4種類を化学合成し、続いてDNA合成機による固層合成でL-DNAとD-DNAからなるキメラオリゴマーを得た。このキメラDNAのD-DNA部分はPCRのプライマー配列となるように設計し、L-DNA部分の配列はPCR産物をコードする特異的な配列に設計した。このキメラDNAをプライマーとしてPCRを行うと伸長反応はL-DNAとD-DNAの間で止まり、L-DNAタグでラベル化されたPCR産物を得た。このラベル化されたPCR産物はタグ配列に相補的な配列を持つL-DNAを固定化したSPRアレイ上に流すとアレイ上でのハイブリダイズをSPRイメージングによって観察された。さらにアレル特異的PCRをこのプライマーを用いて行うことでSPRアレイ上での迅速なSNP検出を実現した。このように、既存のバイオテクノロジーの技術とL-DNAの科学を融合させる事によってより洗練された技術の開発が行えると考えられる。
|