2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J03301
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 重樹 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォトニック結晶 / 自然放出制御 / 斜めエッチング / ウエハ融着 / 共振器 |
Research Abstract |
本年度は,第一に,量子井戸を内包するストライプ積層型9層3次元フオトニック結晶の時間分解フオトルミネッセンス測定を行い,自然放出制御の時間領域での検証を試みた.4Kにおける測定の結果,完全フオトニックバンドギャップ(PBG)の存在する波長域(>1.4μm)で発光寿命の増大を観測することに成功した.これは3次元フオトニック結晶による自然放出抑制効果によるものと考えられる.しかしながら,冷却に伴って発光の大部分が完全PBG波長域外へとブルーシフトしたため明確にその効果を実証できたとは言えず,今後さらに多数の試料を作製し,系統的に検討を行う必要がある. そこで,当初の計画通り研究を次段階へと進め,2方向斜めエッチングによる新たな3次元フオトニック結晶作製プロセスの開発,及び理論検討にとりかかった.平面波展開法と時間領域差分法(FDTD法)を用いた理論解析により,2周期分の深さの斜方向エッチングが実現できれば,1000以上のQ値をもつ点欠防共銀器を作製できることを示した.また,エッチングの角度,位置といった新たな要素が完全PBGの形成に与える影響を調べ,エッチング角度が40〜50度であれば17%以上のバンド幅が維持できることなど,新作製法の特徴を定量的に明らかにした.そして,材料としてSiを選び,極低温ICPエッチング技術を用いてプロセスの検討を重ねた結果,40度の角度で2周期相当の深さまで斜方向ユッチングを行うことに成功した.また,この斜めエッチングを2方向から行い3次元フオトニック結晶を一括作製する工程も確立した.作製した3次元結晶試料においては,透過・反射スペクトル測定によって光通信波長帯でのPBGの形成が確認され,その反射率は約90%と,3次元結晶として非常に高いクオリティを持つことがわかった。
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