2006 Fiscal Year Annual Research Report
炭化珪素/酸化膜界面の電子物性制御と高耐圧低損失超接合デバイスへの応用
Project/Area Number |
06J03302
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
登尾 正人 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 炭化珪素 / シリコンカーバイド / パワーデバイス / MOSFET / RESURF / チャネル移動度 |
Research Abstract |
パワーデバイスの分野で主に用いられているSiデバイスの理論的性能限界を打破し、超高性能デバイスの実現が可能なワイドギャップ半導体炭化珪素(SiC)に期待が集まっている。本研究では、将来のパワーIC応用を目指した横型高耐圧SiC MOSFETの高性能化、および炭化珪素/酸化膜(MOS)界面の電子物性制御に関する研究を行った。前者に関しては、通常のMOSFETのドレイン領域近傍に低濃度n型のRESURF領域を形成し、高耐圧化を実現した。従来のSiC RESURF MOSFETでは、チャネル抵抗とRESURF抵抗が1対1程度の割合であった。本研究では、RESURF領域をデバイスシミュレーションを用いて設計し、構造を最適化することで、RESURF抵抗成分を従来の1/2以下に低減した。具体的には、RESURF領域内部に濃度勾配および埋め込みp型領域を形成することで高耐圧化と低RESURF抵抗化を実現した。作製したSiC RESURF MOSFETは耐圧1380V、ォン抵抗66mΩcm^2という優れた特性を示した。後者に関しては、従来にない新しい方法で酸化膜を形成することで高品質MOS界面の実現を目指した。従来、SiC MOSFETのゲート絶縁膜はSiCの熱酸化により形成していたが、酸化膜中に母体原子であるCが取り込まれ、MOS界面特性が著しく劣化する。そこで本研究では、SiC上にプラズマCVDを用いて直接酸化膜を堆積することでCの含まれない酸化膜を形成した。プラズマCVDによる堆積酸化膜は、堆積後のN_2O高温熱処理により、従来の熱酸化膜に対して界面準位密度を1/4に低減することが可能となった。従来の熱酸化膜を用いたSiC MOSFETのチャネル移動度は15cm^2/Vsであるが、堆積酸化膜を用いた場合、チャネル移動産は25cm^2/Vs程度と約1.7倍のチャネル移動度を実現した。
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Research Products
(1 results)