2007 Fiscal Year Annual Research Report
炭化珪素/酸化膜界面の電子物性制御と高耐圧低損失超接合デバイスへの応用
Project/Area Number |
06J03302
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
登尾 正人 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 炭化珪素 / シリコンカーバイド / パワーデバイス / MOSFET / 界面準位密度 / チャネル移動度 / pチャネル / 窒化膜 |
Research Abstract |
パワーデバイスの分野で主に用いられているSiデバイスの理論的性能限界を打破し、超高性能デバイスの実現が可能なワイドギャップ半導体炭化珪素(SiC)に期待が集まっている。本研究では、従来の熱酸化膜ではなく堆積膜をゲート絶縁膜へと適用することで、その有用性を検討した。また、将来のp型IGBT応用やCMOS回路応用を考慮し、pチャネルMOSFETのチャネル移動度の向上を目指した。前者に関しては、プラズマCVDにより堆積したSiNx/Si02積層膜にN20熱処理を行ったものをゲート絶縁膜とした。堆積条件、熱処理条件を最適化することでSiC MISFETでは、チャネル移動度として32 cm2/Vsという値が得られた。熱酸化膜をゲート絶縁膜としたSiC MOSFETでは20 cm2/Vs程度の値であるので、約1.5倍に移動度が向上した。SiNx/Si02積層構造のSiNxがN20熱処理中に酸化されることで界面における電子トラップが低減するため、移動度が向上したと考えられる。後者に関しては、pチャネルMOSFETをこれまで報告のない4H-SiC(03-38)面、(11-20)面上に作製した(これまでの報告は全て4H-SiC(0001)面上)。熱酸化膜を有するpチャネルMOSFETでは移動度として、(0001)面上で7 cm2/Vs、(03-38)面上で10 cm2/Vs、(11-20)面上で17 cm2/Vsという値が得られた。また、堆積絶縁膜(Si02)を用いたpチャネルMOSFETでは、(0001)面上で10cm2/Vs、(03-38)面上で13cm2/Vs、(11-20)面上で17 cm2/vsという値が得られた。(11-20)面、および堆積膜の適用はSiC pチャネルMOSFETの特性向上に効果的である。
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Research Products
(7 results)