2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントシステムを用いたメガスケール・ナビゲーションの実現
Project/Area Number |
06J03378
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 悠 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 大規模マルチェージェントシミュレーション / 参加型シミュレーション / シナリオ記述言語 / ユーザモデル獲得 / GPS携帯電話 / 避難誘導シミュレーション |
Research Abstract |
都市上のユビキタスな情報基盤を利用することで,個別の通行者に対して個別の誘導をするシステム(メガスケール.サビゲーションシステム)が構築できる.このようなシステムの分析には大量の被験者による実証実験が必要となるが,そのコストは莫大なものとなる.そこで本研究では,人を含んだ大規模なシステムの開発手法として,サービスの利用者をエージェントにモデル化したマルチエージェントシミュレーションをシステム運用の前実験に適用することに取り組んでいる. 本年度には,参加型シミュレーション機能の開発と避難誘導を対象とした参加型シミュレーションシステムを構築した. システムの分析にマルチエージェントシミュレーションを用いるには,精度の高いユーザモデルを獲得する必要がある.本研究では,そのユーザモデルの獲得に参加型シミュレーションを用いる.参加型シミュレーションとは,仮想空間で行われるシミュレーションに人間が参加するものである.参加型シミュレーションを実施するには,現実の参加者の挙動や意志決定をシミュレーションシステムに取り込む必要がある.そこで,GPS携帯電話を利用することで参加者の位置情報を継続的に取得し,参加者の意思決定をシミュレーション上へ取り込むシステムを開発した. また,京都市内における数万人規模の移動を想定した参加型避難誘導シミュレーションシステムを開発した.シミュレーションの基盤には,これまでに開発してきたCaribbean/Qという大規模マルチエージェントシステムのためのプラットフォームを用いた.
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