2006 Fiscal Year Annual Research Report
三量体G蛋白質G12ファミリーの新しい機能調節機構の研究
Project/Area Number |
06J03390
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 順也 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シグナル伝達 / 細胞骨格 / 分子生物学 |
Research Abstract |
今日、三量体G蛋白質G12ファミリーの情報伝達系については、エフェクター分子を含めて基本的な情報伝達経路が明らかにされつつある。本研究の特色は、Gα13に結合する分子の同定から明らかにされるGα13の新しい活性調節機構の発見により、低分子量G蛋白質の機能の時間的、空間的な発現調節のシステムを解明し、その生理作用、特に神経系における重要性を見いだすことである。本研究で明らかにされる新しいシステムの発見は、分子として見かけ上、類似した機能を持つ複数の機能分子の存在意義を明らかにする上に大きなヒントになり、また、細胞内での多彩で精妙な機能発現調節を可能にする機構のモデルにもなる。私は、Gα12とGα13の差異について、細胞内局在という観点から、イムノブロッティング法や免疫蛍光細胞染色法を用いて検証してみた。その結果、私はGα12が細胞膜に局在するのに対して、Gα13は細胞質に局在するということを発見した。更に私は、Gα13との共役が知られているLPA(lysophosphatidic acid)受容体を刺激すると、Gα13の局在が細胞質から細胞膜へと移行することを見出した。これはG12ファミリーの下流にある低分子量Gタンパク質、RhoAの活性化とも対応しており、Gα13の移行が受容体を介したRhoAの活性化に機能的に深く関与していることが示された。これらの結果から、Gα12とGα13の異なる細胞内局在が、これら2つのタンパク質の細胞内機能の違いを生み出している一因であるということが推察される。また、それらのことと関連して、同様に細胞骨格を制御し細胞の形態を制御することが知られている、一回膜貫通型受容体DCCに関して、現在ウエスタンブロッティング法や細胞染色により、その細胞内機能についての検証も現在行っているところである。
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