2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオインフォマティクスによる網羅的な糖鎖構造の解析
Project/Area Number |
06J03403
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 浩介 京都大学, 化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | desaturase / unsaturated fatty acid / PUFA / genome analysis / bioinformatics |
Research Abstract |
本年度は糖鎖構造の統計的な解析を行った。そのためにまず、糖鎖構造を学習するアルゴリズムの開発を行った。糖鎖構造は木構造であり、木の構造を学習するアルゴリズムはこれまで複数開発されている。本研究では、マルコフモデルを拡張し、木構造を効率的に学習できるOrdered Tree Markov Model(OTMM)を開発した。このアルゴリズムにより、木構造の親子関係だけでなく兄弟関係を高速に学習できることが可能となった。さらに、必要となるメモリ量も低く抑えている。 次のステップとして、我々はこのOTMMをプログラミング言語Javaでコーディングし、これまでに開発されているアルゴリズムであるPSTMM及びHTMMと精度及び速度の比較を行った。比較に利用した木構造は、コンビュータにより自動生成した合成データと、実際の糖鎖データベースKEGG GLYCANから取得したN-glycanのデータを用いた。PSTMMは、精度は高いが計算時間がかかるアルゴリズムであり、一方HTMMは計算量が少なく、高速であるが、精度の低いアルゴリズムである。これらに対して、OTMMは計算精度においてPSTMMと同等の結果を示し、速度に関してはHTMMと同程度に高速であった。 アルゴリズムのパフォーマンスが高いことが示されたので、次に、実際の糖鎖データを学習し、その特微を解析した。その結果、マルコフモデルの各状態にN-glycanのコア構造及び、しばしば見られる重要な部分構造が学習されていることを示した。 これらの成果は近く、学術誌に投稿予定である。
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Research Products
(1 results)